IT・DX活用

中堅中小の68.1%がAIに100万円超。大分の社長がIT予算の「攻めと守り」を整理すべき3つ

タグ: AI活用 / DX / 中小企業 / 大分 / IT担当 / セキュリティ対策 / 壁打ち

「AIには投資したい。でも、セキュリティもインフラも古いままだ」——大分の中小企業の社長から、こうした相談が増えています。2026年8月21日、デル・テクノロジーズが発表した全国調査は、それが個別の悩みではなく、中堅・中小企業全体の構造だと示しました。生成AIへの投資が初めて最重要分野になった一方、ランサムウェア対策やWindows 11移行、インフラ見直しが同時に迫る。予算は有限なのに、攻めと守りの両方を前に進めなければなりません。

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8月21日発表の調査:AI投資が初めてトップに

デル・テクノロジーズは、日本の中堅・中小企業のIT担当者を対象に「中堅中小企業向けIT投資動向調査2026」の結果を公表しました。2017年から10回目の調査で、生成AIの普及、メモリーやSSDの価格高騰、Windows 11移行、仮想化基盤の見直しが投資判断に与える影響を分析したものです。

最も大きな変化は、AI・生成AIが初めて投資対象のトップになった点です。100万円以上の投資を予定している企業は68.1%に達しました。デルは、AIが実験段階を脱し、企業ITの標準的な投資対象に昇格したと分析しています。

一方、IT基盤は75%前後が自社設備を軸に運用を続けています。オンプレミス中心が51.8%、ハイブリッド環境が23.6%です。サーバー投資は約3割が更新を保留。AIやセキュリティへの予算配分を優先し、投資判断の選別が進んでいます。

業績面では、好調と回答した企業が41%(前年比4ポイント増)、IT予算を増額する企業も35.6%に達しました。好調企業のIT投資額は他社の1.5〜2倍近く。攻めの投資余力がある会社と、守りの整備が追いつかない会社の差が、数字に表れ始めています。

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攻めは進む、守りに穴——調査が示す3つのギャップ

調査結果を、大分の中小企業の現場感覚に当てはめると、次の3点が目立ちます。

項目:AI投資の加速
内容:100万円超の投資予定が68.1%。IT部門の業務時間も、PC保守から情報戦略・生成AI導入・開発支援へシフト。攻めのITへの時間が増加

項目:セキュリティの実態
内容:直近半年で16.2%(6社に1社)がセキュリティ事故を経験。フィッシング、ランサムウェア、不正ログインが上位。61.2%がバックアップを重視する一方、「確実に復旧できる自信がある」企業は約4割。クラウドバックアップ本格利用は3割程度

項目:DXの自己評価
内容:ワークフロー電化や業務の見える化など基礎段階が中心。約半数が「DXは進んでいない、または遅れている」と回答。AI投資は進むが、全社的な変革には届いていない

補足として、調査開始以来初めて「ワンオペ情シス」の割合が22.4%まで低下しました。IT人材への投資が少しずつ進んでいる一方、PC更新は66%が継続または前倒し(Windows 11移行が背景)という、守りの優先順位の違いも見えます。

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大分の社長がIT予算を決める前に確認すべき3つ

1. 攻めのAI投資と、守りの復旧力をセットで見る

AIツールの導入だけを先に進めると、データ保護が追いつかないまま業務が外部サービスに依存する状態になります。調査では、バックアップを重視する企業が61.2%あるのに、復旧に自信があるのは約4割。大分でも「バックアップは取っているが、復旧手順を試したことがない」という会社は少なくありません。AI投資の見積もりと同じタイミングで、復旧テストの有無を確認してください。

2. サーバー保留とPC前倒しの「ズレ」を放置しない

約3割がサーバー更新を保留する一方、PCは66%が更新継続または前倒しです。クライアントだけ新しく、基盤は古い——この構成は、セキュリティパッチや仮想化ライセンスの見直しが遅れたときに、全体のボトルネックになります。予算が足りないなら、全部やるのではなく、どの業務が止まると致命傷かを先に決める必要があります。

3. DXの遅れを、AI導入で埋めようとしない

約半数がDXの遅れを自覚しています。AIは既存業務の効率化には有効ですが、業務フロー自体が紙や口頭のままでは、効果が個人の腕前に依存します。大分県のDAIBや地域のDX研修は、攻めのAIと守りの基盤を同時に考える場として使えます。ただし、何の課題を解くかが決まっていなければ、どの支援も「情報収集」で終わります。

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今週の社長チェックリスト

  • 2026年度のIT予算で、AI・セキュリティ・インフラの配分比率を書き出したか
  • バックアップの復旧テストを、直近1年以内に実施したか
  • サーバー更新保留の理由と、業務停止リスクをIT担当と共有したか
  • Windows 11移行とPC更新の計画が、セキュリティ方針と整合しているか
  • 「DXが遅れている」と感じる業務を1つだけ特定し、AIで短縮できるか検討したか
  • 攻めの投資(AI・開発)と守りの投資(セキュリティ・バックアップ)を、経営会議で一度セット議論したか

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まとめ:予算は「攻めか守りか」ではなく、順番の問題

一言で言うと、2026年のIT投資は「AIに行くか、セキュリティに行くか」の二択ではなく、「どの順番で両方を整えるか」の問題です。68.1%がAIに100万円超を投じる時代に、6社に1社が半年でセキュリティ事故を経験する現実も並行しています。大分の中小企業に必要なのは、最新ツールの情報より、自社の予算とリスクを一枚の地図に描く時間です。IT担当が一人でも、社長が判断軸を持てば、投資の選別は進みます。判断に迷うときは、数字と現場のギャップを一緒に整理する壁打ちから始めてください。

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参考:ZDNET Japan「AI投資がついに本命に——中堅中小企業の約7割がAIに100万円超を投入」、2026年8月21日(デル・テクノロジーズ「中堅中小企業向けIT投資動向調査2026」に基づく)