AI導入は36.9%なのに推進意向は83.2%。大分の社長が「必要だが始められない」を崩す前に確認すべき3つ
「AIは必要だと思う。でも、うちではまだ始められない」——大分の社長から、この言葉はよく聞きます。今日公表された全国調査を見ると、それは個人の遅れではなく、かなり一般的な状態です。導入済みはまだ4割弱。一方で、これから推進する意向は8割を超えます。差があるのは意欲ではなく、着手の設計です。
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今日出た調査:導入36.9%、推進意向83.2%
株式会社フォーバルが運営するフォーバルGDXリサーチ研究所は、2026年8月21日、「BLUE REPORT[9月号]」を発行しました。全国の中小企業経営者1,653人を対象に、AI活用の理解度や導入状況、効果、今後の推進意向を調べたものです。中小企業庁の2026年版「中小企業白書」が、AIトランスフォーメーション(AX)を成長の機会として位置づけている流れのなかでの調査です。
業務でAIを「既に活用している」企業は36.9%でした。「導入に向けて検討・試験運用している」は20.1%で、合わせると半数超が前向きです。一方、仕組みやメリットを深く理解し、自社業務への当てはめまで把握している企業は22.7%にとどまります。認知や関心はあるのに、実務の地図がない——このギャップが、数字の芯です。
今後の推進意向は、「大幅に注力」29.8%と「やや注力」53.4%を合わせて83.2%です。既に活用している企業では91.8%、検討・試験運用中では90.6%が推進する、と答えました。「必要だと思うが導入できていない」企業でも、72.7%が推進意向を示しています。やる気がない会社が多数派、という構図ではありません。
導入済み企業の効果実感は、次のとおりです。
項目:業務効率化
内容:91.7%(とても/やや効果の合計)。社内の進み方が速くなった実感が最も強い
項目:工数削減
内容:86.5%。人が減ったというより、同じ作業に使う時間が短くなった、という報告が多い
項目:コスト削減
内容:60.1%。効率化ほどには数字がついてこない
項目:他社からの評価
内容:40.3%。外向けの評価より、まず社内改善に効いている
用途の中心も、文書作成・要約・校正、情報収集・調査、企画案・アイデア出しなど、取り入れやすい知的業務です。最初から「売上をAIで伸ばす」を目標にすると、調査が示す効果の出方とずれやすいです。
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「必要だが導入できない」会社が挙げる、止まり方
調査のまとめでは、必要だと感じながら導入できていない企業の理由がはっきり出ています。上位は次の3つです。
項目:専門知識・ノウハウを持つ人材がいない
内容:53.7%。ツールの契約以前に、社内に通訳がいない状態
項目:どの業務に使えるかわからない
内容:47.9%。「便利そう」は分かるが、週何時間のどの作業かまで落ちていない
項目:具体的な進め方がわからない
内容:47.3%。試す期限、使う/使わないの判断者、入力してよいデータの境界が空欄
大分の中小企業でも、この並びはそのまま当てはまりやすいです。情シスがいない、社長が兼務、現場は忙しい——その前提で「まず全社方針」や「まず最新ツール」に飛ぶと、53.7%の壁にぶつかります。逆に言えば、人材をいきなり採用しなくても、業務を1つに絞り、進め方を紙1枚に書けば、47.9%と47.3%の壁は下げられます。
比較すると、次のような分かれ目になります。
項目:導入できている側
内容:活用方法を具体的にイメージできている。理解が深い層では、既に業務活用している割合が8割超、という整理も調査にあります
項目:止まっている側
内容:必要だと感じ、推進意向もある(72.7%)が、人材・業務選定・進め方の3点が空いている
項目:効果の現実的な置き場
内容:まず効率化と工数。コストと外向け評価は後からついてくる前提で設計した方が、失望が少ない
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大分の社長が、今週確認すべき3つ
【1】「必要」の中身を、業務名と週あたり時間に落とす
「人手不足だからAI」だけでは、どの業務に使えるかわからない、に戻ります。今週やることは、社長が現場に聞いて、候補を3つ書き、そのうち1つに絞ることです。見積の下書き、日報の整理、問い合わせメールの一次案、会議メモの清書など、実物がある作業に限ってください。顧客の未公開情報や、取引先との価格交渉の全文を最初から入れる題材にはしない方が安全です。
- 候補業務を3つ書き、週あたりの所要時間を付けた
- 最初の1つを決め、成功の定義を「時間短縮」にした(売上は次段)
- 入力してよいデータ/入れないデータを、1行で決めた
【2】「人材がいない」を、採用ではなく役割の最小セットに置き換える
専門人材がいない、は53.7%で最多です。だからといって、いきなり専任採用や高価なコンサルに飛ばなくてもよい場面が多いです。必要なのは、試す人(現場)、可否を決める人(社長または部門長)、使ってよいサービス名を管理する人、の3役割です。1人が兼務しても構いません。空いてはいけないのは「決める人」です。ここが空だと、試験運用が終わりません。
- 試用担当と決裁者を名前で書いた(兼務可)
- 使ってよいAIサービス名を、社内で1つに絞った
- 顧客向け公開や契約書の自動生成は、初回スコープから外した
【3】「進め方」を、2週間の試験運用に固定する
具体的な進め方がわからない、は47.3%です。ここは長い計画書より、短い期限の方が効きます。例:2週間、対象業務だけ、成果は「週あたり何時間減ったか」と「使えなかった理由」をメモする。終わったら続ける/やめる/業務を変える、の3択だけにする。推進意向83.2%のうち、実態として動けるのは、この小さなループを回せる会社です。効果は効率化91.7%、工数削減86.5%が出やすい一方、コスト削減は60.1%です。最初のKPIを「経費が減る」に置くと、途中で諦めやすくなります。
- 開始日と終了日(例:14日後)をカレンダーに入れた
- 終了時の判断を「続ける/やめる/業務を変える」の3択にした
- 効果の物差しを、時間または件数の既存数字にした
株式会社コラボでは、社長の壁打ちとして、「必要だが始められない」状態を、業務1つ・役割3つ・2週間の試験運用に分解する整理をしています。ツールの比較表より先に、止まり方の3点(人材・業務・進め方)が埋まっているかが分岐です。
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まとめ:一言で言うと
2026年8月21日の調査では、中小企業のAI導入・活用は36.9%、推進意向は83.2%、実務への当てはめまで把握している企業は22.7%でした。止まっている会社の上位理由は、人材53.7%、業務が分からない47.9%、進め方が分からない47.3%です。大分の社長が今週やるのは、最新ツールの選定ではなく、業務名と時間、決裁者、2週間の終わり方を紙に書くことです。意欲はある。足りないのは着手の設計です。
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参考:株式会社フォーバル/フォーバルGDXリサーチ研究所「BLUE REPORT[9月号]」、発表日2026年8月21日