大分県は8月31日締切。介護DX補助の4分の5と、9月15日の案件引継ぎに間に合うか
「介護の補助金は今日まで、製造の補助金は来月」——制度名が似ているだけで、締切も金額も申請の入口もまったく違います。大分県の介護テクノロジー導入支援事業は2026年8月31日が申請最終日。補助率は4分の5、法人あたりの上限は組み合わせ次第で1,600万円まで広がります。一方、国のデジタル化・AI導入補助金2026の5次公募は、申請締切9月29日17時の前に、9月15日の案件引継ぎが先に来ます。この記事では、今日締め切りの県制度と、9月に動く中小企業向け補助金の線引きを整理します。
—-
8月31日が最終日。大分県の介護テクノロジー補助金は何が対象か
大分県は、介護現場のDX化と生産性向上を目的に「介護テクノロジー導入支援事業」を実施しています。2026年の受付期間は7月27日から8月31日まで。電子申請での提出が前提です。対象は、介護保険法に基づく介護サービス事業所や、老人福祉法に基づく養護老人ホーム・軽費老人ホームなどです。
補助の骨格は次のとおりです。
項目:補助率
内容:原則4分の5(自己負担は5分の1)
項目:介護ソフト・バックオフィスソフト
内容:事業所あたり100万円から250万円。職員数でライセンス料が変わる場合は上限も変動。定着促進支援を使うと15万円上乗せ
項目:移乗支援・入浴支援などTAIS掲載機器
内容:100万円/台
項目:その他の介護テクノロジー
内容:30万円/台
項目:ソフトと見守りセンサー・Wi-Fiなどの一体導入
内容:事業所あたり最大1,000万円(ソフトとセンサーの連携が条件)
項目:法人全体の上限
内容:カテゴリ1〜3の合計で800万円、一体導入枠は1,600万円まで
申請には、厚生労働省指定セミナーや県の生産性向上セミナーの受講、改善活動の計画書提出、業務改善計画書の国・県への提出義務(導入後3年間の効果報告を含む)など、複数の要件をすべて満たす必要があります。見積書は最低2者、複数機器を組み合わせる取組は優先採択の対象になりやすい、と県は説明しています。申請が集中した場合は予算がなくなり次第終了するため、「締切日までなら必ず通る」とは限りません。
介護事業者以外の読者にとっては、「上限が大きい県制度が別にある」という事実だけ覚えておけば十分です。製造業や小売業がこの枠に入ることはありません。
—-
9月に動く中小企業向け補助金。締切の前に来る「案件引継ぎ」
介護以外の会社が今から手を付けるなら、国のデジタル化・AI導入補助金2026の5次公募が現実的です。4次締切(8月25日17時)と県の上乗せ制度については、別記事で触れていますが、5次はスケジュールが一段ずれます。
項目:案件引継ぎ締切
内容:2026年9月15日(火)
項目:申請締切
内容:2026年9月29日(火)17時
項目:交付決定(予定)
内容:2026年11月9日(月)
項目:補助上限・率
内容:5万円以上150万円未満、補助率おおむね2分の1
項目:申請の前提
内容:IT導入支援事業者との連携が必須。GビズIDプライム、SECURITY ACTION自己宣言などの準備が必要
ここでつまずくのは、「9月29日まで余裕がある」と思い込むことです。支援事業者への案件引継ぎが9月15日で切られるため、見積もりとツール選定を9月半ばまでに固めないと、締切日に間に合いません。2〜3週間かかるGビズIDプライムの取得をまだ始めていない会社は、今日から動いてもギリギリです。
大分市内の小規模事業者で、8月3日から17日のエントリーに参加済みの会社には、別ルートがあります。大分市の小規模事業者競争力強化支援事業補助金・後期の申請受付は、9月28日から10月23日まで。DX推進枠は補助率3分の2、上限40万円です。エントリーしていない会社は、この枠には入れません。市の制度と国の制度を、名前の似たさだけで混同しないことが先決です。
建設業に限れば、大分県の建設産業DX加速化事業(ICT建機・ICT機器導入補助)の二次募集は、2026年10月30日まで受け付けています。業種で入口が分かれている、と整理しておくと申請漏れが減ります。
—-
届かなかったときの順番。今日から9月に間に合わせる
補助金は「締切日にボタンを押す」作業ではなく、要件を満たしたうえで、支援事業者と計画を揃える作業です。介護テクノロジー補助に間に合わなかった事業所は、来年の募集や県介護DXサポートセンターへの相談を検討する段階です。改善活動の計画書は、年度の途中でもサポートセンターへの提出が求められていたため、申請書だけが未提出、というケースもあり得ます。まず県のFAQとサポートセンターへ状況確認が近道です。
介護以外でIT投資を考えている会社は、次の順番が現実的です。
1. 9月に何をデジタル化するかを1業務に絞る(会議、見積、在庫、顧客対応など)
2. IT導入支援事業者を1社に絞り、9月15日の案件引継ぎに間に合うか確認する
3. GビズIDプライムとSECURITY ACTIONの取得状況を今日確認する
4. 大分市の後期エントリー済みなら、9月28日の申請開始に合わせて見積を2者以上そろえる
5. 県のデジタルツール補助金(ONE OITA経由・上限25万円か30万円)と国補助金を、同じ経費で二重取りしない
今日やること(3分)は、自社がどの入口に入るかを1行で書き出すことです。
- 介護・福祉事業所か、それ以外の中小企業かをはっきりさせた
- 国の5次公募について、IT導入支援事業者に9月15日引継ぎの空きがあるか聞く日をカレンダーに入れた
- GビズIDプライムの取得状況を確認した(未着手なら今日申請を開始した)
- 大分市の後期エントリーに参加したかどうかを確認した
- 県ツール補助金・国補助金・市補助金で、同じソフト代を二重に申請しないよう制度名をメモした
補助金は、金額の大きい順に並べるより、自社が要件を満たせる順に並べる方が早いです。ひとり情シスや社長が兼務している現場では、締切一覧を社内チャットに貼るだけでも申請漏れが減ります。どの制度から手を付けるか迷う場合は、使いたいツール名ではなく「どの業務の工数を減らしたいか」を先に書き出すと、支援事業者との初回相談が短く済みます。
—-
まとめ:締切日より先に来る「要件」と「引継ぎ」
・大分県の介護テクノロジー補助は8月31日締切。補助率4分の5、法人上限は最大1,600万円だが、介護事業者に限られる
・中小企業向けの次の山は、9月15日の案件引継ぎと9月29日17時のデジタル化・AI導入補助金5次
・大分市の後期はエントリー済み者のみ9月28日から申請可能。建設業は県の二次募集が10月30日まで
次の一手:今日、自社が「介護DX・国5次・市後期・建設DX」のどれに入るか1行で書き、該当する支援窓口に空き確認の連絡を入れる。
—-
参考:大分県ホームページ「介護テクノロジー導入事業所に対する補助について(令和8年度)」、大分市「小規模事業者競争力強化支援事業補助金」、デジタル化・AI導入補助金2026事業スケジュール(2026年8月時点)