9月30日受付・10月30日18時厳守。ものづくり統合は革新枠上限2,500万円でも新製品開発なしでは出せず、下限100万円か750万円を取り違えると門前払い
「市のDX補助金が40万円、国のAI導入が450万円まで——じゃあものづくりは全部まとめて出せるのか」——大分の中小企業から、今週いちばん多いのはこの混同です。答えは否です。旧ものづくり補助金と新事業進出補助金が統合された「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」は、申請受付が2026年9月30日(水)、応募締切が10月30日(金)18時厳守。上限は枠によって最大2,500万円から9,000万円まで広がりますが、下限や必須経費、基本要件が市・県の小口DX補助金とは別物です。この記事では、9日後に開く受付までに切るべき線を整理します。
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9月28日の市窓口と、9月30日の電子申請は別カレンダー
大分市内の小規模事業者にとっては、9月28日から始まる市の小規模事業者競争力強化支援(DX推進枠は補助率2/3・上限40万円)が目前です。一方で国のデジタル化・AI導入補助金は、5次の交付申請が9月29日17時。いずれも「ツール導入の小〜中口」に近い制度です。
統合ものづくりは入口が違います。中小機構が公募するこの制度は、技術的革新性のある製品・サービスの開発、既存事業とは異なる新市場・高付加価値事業への進出、海外市場開拓に向けた国内体制の強化など、「事業そのものを動かす投資」が対象です。機械装置・システム構築費が中核で、クラウド利用や外注、広告宣伝も枠によって計上できます。ただし革新枠では、単に機械やシステムを入れるだけで新製品・新サービスの開発が伴わないものは対象外です。同業で既に相当程度普及している開発も対象になりません。
大分県の省力化・生産性向上支援(国の省力化投資やデジタル化・AI導入インボイス類型への上乗せ)とも別手続きです。上乗せは国の額確定後に県へ申請する後工程で、申請期限は令和9年1月29日。統合ものづくりの採択を待たずに「県の上乗せも同時に出る」と想定すると、段取りが崩れます。
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枠と金額を並べる。上限より先に見るのは下限
項目:革新的新製品・サービス枠
内容:革新的な新製品・新サービス開発。補助率は中小1/2(条件で2/3)、小規模・再生は2/3。補助下限100万円。上限は従業員規模で750万〜最大2,500万円(賃上げ特例で最大3,500万円)。機械装置・システム構築費が必須。設備導入のみは不可
項目:新事業進出枠
内容:既存事業と異なる新市場・高付加価値事業への進出。補助率は中小1/2(条件で2/3)。補助下限750万円。上限は従業員1〜20人で基本2,500万円、規模に応じ最大7,000万円(賃上げ特例で最大9,000万円)。機械装置・システム構築費または建物費のいずれか必須
項目:グローバル枠
内容:海外市場開拓に向けた国内輸出体制の強化。補助率は一律2/3。補助下限750万円。上限の考え方は新事業進出枠と同様(最大7,000万円、賃上げ特例で最大9,000万円)。海外旅費・通訳翻訳費も対象。取引先主導の事業は対象外
項目:大分市DX推進枠(比較用)
内容:申請受付は9月28日〜10月23日。補助率2/3・上限40万円。エントリー済み・電話予約が前提。ウェブサイト単独や汎用PCは想定と違う
項目:国のデジタル化・AI導入(比較用)
内容:5次は9月29日17時。通常枠はプロセス数に応じ最大450万円前後。登録済みIT導入支援事業者との申請が前提
ここで現場が損をするのは、「最大9,000万円」の見出しだけ見て新事業進出枠に飛び込むケースです。下限750万円を下回る投資規模なら、その枠では門前払いです。逆に、会計ソフトやSaaSの入れ替えだけなら、市の40万円枠や国のデジタル化・AI導入のほうが入口として素直です。DX認定は審査の加点項目に入っていますが、加点は採択を保証しません。認定取得の工数と、事業計画の本丸(何を誰に売るか)を取り違えないでください。
基本要件も軽い話ではありません。付加価値額の年平均成長率プラス4.0%、給与支給総額の年平均成長率プラス3.5%、事業場内最低賃金の地域別最低賃金からの引き上げ幅プラス30円などが求められます。賃上げ特例で上限を引き上げた場合、未達なら引上げ分の返還義務が生じます。「採択されたら勝ち」ではなく、「達せない数字を書くと後で返す」制度です。
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大分の中小が今週やるのは、見積の前に枠の一文
今日やること(3分):社内チャットか紙に「革新/新事業進出/グローバル/市40万/国AI」のどれを狙うか、まだ決まっていない、の一行を書いて共有する。
- 投資規模が革新枠の下限100万円以上か、新事業進出・グローバルの下限750万円以上かを概算した
- 新製品・新サービスの開発なのか、既存業務の効率化だけなのかを一文で言い切った
- GビズIDプライムの取得状況を確認した(未着手なら今日手続きを開始した)
- 9月28日の市申請、9月29日の国5次、9月30日の統合ものづくり受付を同じ「DX補助金」一行にまとめていない
- 付加価値+4%・賃上げ+3.5%・最賃+30円を、自社の実績と計画で仮置きした
- 交付決定前の発注・契約をしない方針を、発注担当にも伝えた
大分のようにIT担当が一人、または兼任の会社では、公募要領を最初から最後まで独力で読むより、枠の一文を外の壁打ち相手に見せたほうが早いことが多いです。コラボが現場で聞くときも、最初の問いは「いくら欲しいか」ではなく、「その投資は新製品開発か、新市場か、輸出体制か」です。9月30日の受付開始までに枠が決まっていない会社は、見積の取り直しが発生します。10月30日18時は厳守で、締切直前の電子申請混雑も織り込んでください。
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まとめ:(一言で言うと)
・統合ものづくりは9月30日受付・10月30日18時締切。市の40万円や国のAI導入450万円とは入口が違う
・革新枠は下限100万円・上限最大2,500万円(特例で3,500万円)、新事業進出・グローバルは下限750万円・上限は規模と特例で最大9,000万円まで
・付加価値+4%と賃上げ条件は達成できないと返す。次の一手は、今日中に狙う枠を一文で決めること
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参考:独立行政法人中小企業基盤整備機構「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」公式サイト(第1回公募スケジュール。申請受付2026年9月30日、応募締切2026年10月30日18時厳守)。大分市「小規模事業者競争力強化支援事業補助金」(令和8年度)。大分県「省力化・生産性向上支援補助金」ページ。