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中小企業の営業利益が16.6%増という「全国平均」。大分の社長が自社の数字とのズレに気づく前に確認すべき3つのこと

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「うちの実感とは違う」——そう感じた社長も多いのではないでしょうか。中小企業庁が公表した最新の調査で、全国の中小企業の業績はコロナ禍前を上回る水準まで改善しているという数字が出ました。ただ、この「全国平均」がそのまま大分の中小企業の肌感覚と一致しているかというと、話は別です。


中小企業実態基本調査が示した「伸びている」全国平均

中小企業庁が2026年6月に公表した令和7年中小企業実態基本調査(令和6年度決算実績)によると、中小企業1社あたりの売上高は約2.2億円で前年度比6.9%増、営業利益は907万円で同16.6%増、経常利益は1,075万円で同8.4%増となりました。従業者数も1社あたり9.9人と前年度比1.6%増えています。

この調査は建設業や製造業、卸売業、宿泊業・飲食サービス業など11業種、約11万社を対象に無作為抽出し、4万5千社超の回答をもとに集計されたものです。回答企業の平均像として見れば、売上・利益ともに前年度から着実に伸びている、というのが全国の姿ということになります。

数字だけを見れば明るいニュースです。しかし「全国平均が伸びている=自社も伸びている」とは限らない、というところに大分の中小企業が向き合うべき課題があります。


全国平均と大分の実感の間にあるギャップ

全国平均の伸びは、都市部の大企業取引が多い業種や、値上げを転嫁しやすい業種の伸びに引っ張られている面があります。一方で大分をはじめとした地方の中小企業は、原材料高や人手不足の負担を受けながらも価格転嫁が思うように進まないケースが少なくありません。

観点全国平均(調査結果)大分の中小企業で起こりやすいこと
売上高1社あたり約2.2億円、前年度比6.9%増客数・受注数が横ばいでも原価高で売上高だけ膨らむケースがある
営業利益1社あたり907万円、前年度比16.6%増値上げが追いつかず、営業利益は横ばいまたは減少していることがある
従業者数1社あたり9.9人、前年度比1.6%増採用ができず人手不足のまま従業者数が減っている企業もある

つまり「全国平均が良くなっている」というニュースを見て安心してしまうこと自体が、実は一番のリスクです。自社の数字を全国平均と照らし合わせないまま、「世の中的には良い方向なんだろう」で終わらせてしまう社長が一定数いらっしゃいます。


大分の社長が今すぐ確認すべき3つのこと

全国平均の数字に振り回されないために、まず自社の実態を照らし合わせる作業が必要です。以下の3点を確認してみてください。

1. 売上高だけでなく「営業利益率」を見る

売上高が伸びていても、原価や経費の上昇で営業利益率が下がっていれば、実質的には業績が悪化しています。全国平均の営業利益率はおおむね4%前後で推移しており、自社の直近決算の営業利益率がこれを下回っているかどうかは、まず確認すべき数字です。

2. 「人手が増えた」のか「人手が減った」のかを数値で把握する

全国平均では従業者数が1.6%増えていますが、大分では採用難から現状維持どころか人員が減っている会社も珍しくありません。増員できないまま売上目標だけ据え置いていないか、体制と目標のバランスを見直す必要があります。

3. 「自社の実感」を裏付ける数字を持っているか

多くの社長が経営判断を感覚や経験則で行っています。それ自体は悪いことではありませんが、全国平均のような外部データと自社の数字を照らし合わせる習慣がないと、「なんとなく厳しい」「なんとなく大丈夫」といった曖昧な判断が続いてしまいます。決算書や試算表を年に一度見返すだけでなく、四半期ごとに数字を確認する仕組みを持つことが望ましいでしょう。


ひとりで数字と向き合う社長へ

こうした業績のズレに最初に気づくのは、たいてい社長本人です。ただ、気づいたあとに「この数字をどう読めばいいのか」「どこから手をつけるべきか」を相談できる相手がいないまま、判断を先送りにしてしまうケースをよく見かけます。

コラボでは、経営者向けの壁打ちセッションを通じて、決算数値の読み解きから今後の打ち手の整理まで、社長の思考を整理するお手伝いをしています。全国平均の数字に一喜一憂する前に、自社の数字を一緒に棚卸ししてみませんか。


まとめ:全国平均は「答え合わせ」の材料であって、判断の根拠そのものではない

中小企業庁の調査が示す全国平均の改善は、業界全体としては前向きな材料です。ただし、それをそのまま自社にあてはめてよいかは別問題です。大分の中小企業の社長にとって大切なのは、全国平均の数字を鵜呑みにすることでも無視することでもなく、自社の売上高・営業利益率・人員体制という3つの数字を定期的に照らし合わせ、実感と数字のズレに早く気づける状態をつくることです。


参考:中小企業庁「令和7年中小企業実態基本調査(令和6年度決算実績)」確報、2026年6月29日公表