ONE OITA経由でないと出ない。大分県デジタルツール補助金は上限25万円か30万円
「会計ソフトもクラウドも、県の補助金で出せるはず」——そう思い込んで見積もりだけ先に取る会社が、いま増えています。ただ大分県の「中小企業等デジタルツール導入補助金」は、ページ更新が2026年8月21日と新しく、上限は通常枠25万円・賃上げ枠30万円。しかもONE OITAのDX総合支援を飛ばして申請することはできません。この記事では、市の制度や国の上乗せと混ぜやすいポイントを分けて整理します。
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大分県のデジタルツール補助金は「窓口付き」である
大分県は、県内中小企業等がデジタル技術で業務改善や経営変革を進めるための「中小企業等デジタルツール導入補助金」を運用しています。交付要綱は県の先端技術・DX推進支援制度のページで公開され、2026年8月時点で公募中です。申請開始の目安は同年8月3日から、と案内されています。
ここが最大の特徴です。補助対象者の要件に、「中小企業等DX総合支援事業による支援窓口を経て、DXコンサルタントによる課題整理および解決策検討等の支援を受け、その支援に基づきデジタルツール等の導入を行うこと」と明記されています。県の説明でも「単独でこの補助金のみの申請はできません」と書かれています。見積書をそろえてから窓口へ、という順番は通りません。
相談の受け皿は、専用サイト「ONE OITA」(中小企業等DX総合支援事業)です。オンライン受付のほか、手続きサポート窓口として大分銀行コワーキングスペース「ビジカム」(大分市萩原)でも受け付けています。受付時間は平日9時から17時30分。現場に行ける日と、DX担当がいない日の両方を想定した設計です。
別記事でも触れた大分市の小規模事業者向け補助金や、国のデジタル化・AI導入補助金への県上乗せとは別制度です。今日は「県のツール補助金」そのものの線引きに絞ります。
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上限25万円と30万円。国・市の制度と何が違うか
金額だけ見ると小さく感じます。それでも「何の仕事をデジタル化するか」が決まっている会社には、一段目の投資として現実的です。枠の違いは次のとおりです。
枠の名前:通常枠
補助率:補助対象経費の3分の2
上限額:25万円
向く用途:SaaS導入、初期設定、データ移行、API連携など、業務改善の核になるツール
注意:賃上げ枠以外がここに入る
枠の名前:賃上げ枠
補助率:補助対象経費の4分の3
上限額:30万円
向く用途:上記と同じくツール導入。賃上げを同年内に実施し、実績報告前の直近1か月の給与総支給額が賃上げ前より1.5%以上増えていること
注意:残業代や賞与、役員報酬、福利厚生費などは計算から除く。退職者や労働条件変更者も対象外
対象になりやすい経費の例は次です。
項目:ソフトウェア導入費
内容:ライセンス、初期費用、利用料(サブスク含む)。ただし補助対象期間分に限る
項目:クラウドサービス利用料
内容:SaaS等の利用料。これも補助対象期間分に限る
項目:導入設定・移行・連携構築費
内容:設定作業、データ移行、API連携など、導入に不可欠な範囲
項目:ハードウェア購入費
内容:DX実装に不可欠で専ら事業用の専用機器。パソコンやタブレットなど汎用機器は原則対象外
一方、他の補助金と経費が重なるもの、期間内に契約が終わらない割賦・リース、広報費(サイト作成・改修やデジタル広告など)は原則対象外です。アクセス分析機能や他システム連携の追加は例外になり得ますが、「ホームページを作りたい」だけではこの県制度の本線ではありません。大分市のDX推進枠(上限40万円)や、国補助金への県上乗せ(県分の上限52万5千円など)と目的が違う、と覚えておくと迷いにくくなります。
賃上げ1.5%という数字は、県の上乗せ制度でも繰り返し出てきます。ツール代だけを見て枠を選ぶと、実績報告で詰まります。先に「誰の賃金をどう測るか」を社内で決めてから枠を選ぶ方が安全です。
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「買ってから相談」が通らない理由と、今日の順番
ベンダーから「補助金が使えます」と言われても、この制度ではDXコンサルタントが「この補助金で導入するのが適当」と判断・合意したあとに申請します。申請作業自体もコンサル支援の範囲に入ると県は説明しています。つまり、道具の選定と補助の可否が同時に動く設計です。
現場で起きやすい失敗は三つです。
失敗1:市のエントリー期間や国の締切と混同し、県ツール補助金だけを単独で出そうとする
失敗2:PCやタブレット、見た目の広報サイトを主目的にして対象外になる
失敗3:賃上げ枠を選びながら、1.5%の計算対象者を後回しにする
では、どこから手を付けるか。今日やること(3分)は、次のチェックだけです。
- いま欲しいのは「業務の道具」か「見た目の広報・汎用端末」か、社内で一言メモした
- ONE OITA(またはビジカム)へ相談する前に、困っている業務を1つに絞った
- 市の小規模補助金・国のデジタル化・AI導入補助金・県上乗せと、制度名を混ぜていない
- 賃上げ枠を検討するなら、直近の賃金台帳で1.5%を仮計算できる担当を決めた
- 見積取得や発注は、窓口合意と交付の流れを確認してからにすると決めた
DX人材が社内にいない会社ほど、「誰に何を頼むか」が曖昧なままツールを買いがちです。県の制度は、その曖昧さを窓口とコンサルで先に減らす前提になっています。壁打ち相手がいない場合は、社内の現状メモ(業務名・工数・使うデータ)を1枚用意してからONE OITAに申し込むと、初回の会話が短く済みます。
株式会社コラボでは、大分の中小企業が「どの制度が自社の一段目か」を整理する壁打ちも行っています。補助金の代行申請ではなく、業務のどこをデジタル化すべきか、AI活用まで含めて順番を決める側の支援です。制度ページを読んでも迷いが残るときは、道具の比較より先に、変えたい仕事の定義を一緒に固める方が結果は早いです。
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まとめ:(一言で言うと)
・大分県デジタルツール導入補助金は通常枠上限25万円、賃上げ枠上限30万円(補助率は各3分の2・4分の3)
・ONE OITAのDX総合支援を経ないと単独申請できない。ビジカム窓口も使える
・市の制度や国補助金の上乗せと混ぜず、業務の一段目が決まってから相談に行く
次の一手:来週、困っている業務を1つに絞ったメモを持ってONE OITAかビジカムへ申し込む。
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参考:大分県「大分県中小企業等デジタルツール導入補助金について」(ページ更新:2026年8月21日)、大分県「中小企業向けDX総合支援窓口の開設について」