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大分の後継者不在率は55.8%。事業承継を後回しにする社長が、上限50万円の補助金を使う前に確認すべき3つのこと

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「後継者のことは、そのうち考える」。そう思っているうちに、気づけば社長ご自身が60代、70代に入っていた——大分の中小企業では、決して珍しくない話です。数字を見ると、この「そのうち」は思ったより時間が残っていません。


大分県の後継者不在率は55.8%。全国平均を上回っている

帝国データバンクが2025年11月に公表した「後継者不在率」動向調査によると、全国の後継者不在率は50.1%でした。7年連続で改善しており、事業承継への取り組みが全国的に進んでいることがうかがえます。

一方で、九州・沖縄版の調査(2025年12月公表)を見ると、大分県の後継者不在率は55.8%。全国平均の50.1%を5ポイント以上上回り、九州・沖縄のなかでも高い水準にあります。改善傾向にあるとはいえ、大分では今なお2社に1社以上が「継ぐ人が決まっていない」状態だということです。

後継者不在は、単に「跡継ぎがいない」という話にとどまりません。取引先や金融機関からの信用、従業員の雇用、長年培った技術やサービスまで、会社が積み上げてきたものすべてが宙に浮きます。黒字であっても、継ぐ人がいなければ廃業という選択に追い込まれる会社は、全国で増え続けています。

区分後継者不在率(2025年)
全国平均50.1%
大分県55.8%
最も低い三重県33.9%
最も高い秋田県73.7%

数字だけを見ると深刻ですが、裏を返せば「今から動けば間に合う会社」がまだ半分以上あるということでもあります。そして大分市には、その最初の一歩を後押しする制度が用意されています。

大分市の事業承継補助金は上限50万円・補助率3分の2

大分市は、令和8年度(2026年度)も「中小企業者経営力強化促進補助金(事業承継等支援事業)」を実施しています。事業承継やM&Aにかかる専門的な費用の一部を、市が補助する制度です。

ポイントを整理すると、次のようになります。

項目内容
補助上限額50万円
補助率3分の2
申請期間2026年4月1日〜2027年3月17日
対象者大分市内に本社を持ち、市内で1年以上同一事業を営む中小企業者・個人事業主
主な対象経費初期診断、コンサルティング、企業概要書の作成、事業承継計画の作成、企業価値・譲渡価格の算定、M&A売却の委託費 など

注目したいのは、補助の対象が「専門家に相談・診断してもらう段階の費用」まで含まれている点です。事業承継というと「相手を見つけて譲渡が成立してから」のイメージが強いかもしれませんが、実際に会社が困るのは、その手前の「何から手をつければいいか分からない」段階です。

初期診断や企業概要書の作成は、いわば会社の健康診断と職務経歴書をつくる作業です。ここに補助率3分の2が使えるということは、社長が本格的に動き出す前の「準備コスト」を大きく下げられるということを意味します。補助上限は50万円ですが、承継の入り口でつまずく会社が多いことを考えると、この段階を軽くできる意味は小さくありません。

事業承継の補助金を使う前に、社長が確認すべき3つのこと

補助金は「使えるから使う」ものではなく、「準備が整っているから活かせる」ものです。申請の前に、次の3点をご自身の会社に当てはめて確認してみてください。

確認1:自社の「継がせる価値」を言語化できているか

M&Aにせよ親族承継にせよ、相手はまず「この会社は何で稼いでいるのか」を知りたがります。ところが、長年経営してきた社長ほど、自社の強みが当たり前になりすぎて言葉にできないことが多いものです。売上や利益だけでなく、取引先との関係、独自の技術、地域での信用といった「決算書に載らない資産」を整理できているか。これが企業概要書づくりの土台になります。

確認2:承継の「期限」から逆算できているか

事業承継は、相手探しから引き継ぎ完了まで数年単位でかかるのが一般的です。「社長が何歳までに退く」という時点を決めなければ、いつまでも準備が始まりません。まず引退の目標時期を置き、そこから逆算して「今年やること」を決める。補助金の申請期間が2027年3月17日までであることも、動き出す一つのきっかけになります。

確認3:相談する相手を「1人」に絞り込んでいないか

事業承継には、税理士、金融機関、M&A仲介、行政の支援窓口など、立場の異なる専門家が関わります。それぞれ得意分野が違うため、1人に丸ごと任せると、その人の視点に偏った結論になりがちです。補助対象のコンサルティングを使う際も、「誰に何を相談するか」を社長自身が整理しておくと、費用の効果がまるで変わってきます。

まとめ:一言で言うと「準備の費用は、補助金で軽くできる」

大分県の後継者不在率55.8%という数字は、決して他人事ではありません。ただし、事業承継はある日突然できるものではなく、準備の積み重ねで決まります。大分市の補助金(上限50万円・補助率3分の2)は、その準備段階のコストを下げてくれる制度です。


参考:帝国データバンク「後継者不在率」動向調査(2025年、2025年11月・12月公表)/大分市「中小企業者経営力強化促進補助金(事業承継等支援事業)」