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中東情勢悪化で仕入れに打撃、企業の8割。大分の社長がセーフティネット融資(583業種)を確認する前にすべきこと

タグ: 経営相談 / 中小企業 / 大分 / 地域経済 / 資金繰り

「原油や資材が高いのはもう慣れた」と思っていませんか。しかし今回の中東情勢の悪化は、ガソリン代だけの話にとどまりません。原材料や輸入部材の調達コスト全体に影を落とし始めており、気づかないうちに自社の利益を静かに削っている可能性があります。一方で国の支援制度も動いていますが、その存在自体を知らないまま損をしている社長が、大分にも少なくないはずです。


中東情勢の悪化、仕入れへの影響は「8割」という数字が示す規模

日本政策金融公庫が2026年7月14日に発表した調査によると、中東情勢の悪化によって仕入れに「マイナスの影響がある」と回答した中小企業は全体の8割にのぼりました。原油価格の上昇にとどまらず、輸入原材料や部材の調達コストが押し上げられている企業が多いという結果です。

さらに見過ごせないのが、仕入れ価格の上昇幅を把握している企業のうち、約半数が価格転嫁できていないという点です。取引先との力関係、消費者の値上げ疲れ、地方特有の商習慣。理由はさまざまですが、コスト増を自社の利益で吸収し続けている中小企業が、大分にも相当数いると見て間違いないでしょう。

日本政策金融公庫にはすでに6,610件もの相談が寄せられており、同公庫の藤井健志新総裁も中小企業への金融支援を継続する姿勢を強調しています。それだけ現場の資金繰りに切迫感があるということです。輸入に直接関わっていない業種でも、取引先を通じて間接的にコスト増の波が及んでいるケースは珍しくありません。

民間の信用調査機関によるアンケートでも、緊迫が続く中東情勢によって「事業にマイナスの影響がある」と答えた企業は約8割にのぼり、ガソリン価格や原材料の高騰、品薄への懸念が根強いことが分かっています。複数の調査で似た数字が出ているということは、一部の業種だけの特殊な話ではなく、業種を横断して起きている構造的な変化だと捉えるべきでしょう。

583業種に拡大された「セーフティネット貸付」、大分の社長はどこまで知っているか

こうした状況を受け、国は中小企業・小規模事業者向けの支援を段階的に拡大しています。中でも押さえておきたいのが、経済産業省・中小企業庁による「セーフティネット貸付」の対象業種の拡大です。

時期セーフティネット貸付の対象業種数
2026年4月1日指定520業種
2026年7月1日指定583業種

3か月で60業種以上が新たに追加されたことになります。対象に指定されると、日本政策金融公庫などが実施するセーフティネット貸付の要件が緩和され、中東情勢により今後の影響が懸念される事業者まで支援の間口が広がる仕組みです。

ここで多くの社長が見落としがちなのが、「自社の業種が対象に入っているかどうかを確認していない」という点です。原油や資材を直接輸入していなくても、取引先が輸入原材料を使っていれば、間接的にコスト増の影響を受けている可能性があります。対象業種は製造業に限らず幅広い業界に及んでいるため、「うちは輸入と関係ないから大丈夫」と思い込む前に、一度確認しておく価値があります。

大分の社長が今すぐ確認すべき3つのこと

具体的に、何から手をつければよいのでしょうか。以下の3点を確認することをおすすめします。

1. 自社の業種がセーフティネット貸付の対象に入っているか

中小企業庁や日本政策金融公庫が公表している対象業種一覧で確認します。直接の輸入取引がなくても、原材料や部品を通じて間接的に影響を受けている業種は幅広く含まれているため、業種名だけで「関係ない」と判断せず、一覧そのものに目を通すことが大切です。

2. 仕入れ価格の上昇分を、どこまで自社で吸収しているか

感覚ではなく、直近数か月の仕入れ単価を数字で洗い出します。価格転嫁できていない金額が見えると、資金繰りの見通しと、取引先との価格交渉の材料の両方が手に入ります。

3. 資金繰りに不安が出る前に、金融機関への相談窓口を確認しておく

セーフティネット貸付は「困ってから」ではなく「困りそうな段階」で相談できる制度です。実際に借りるかどうかは別として、相談先と条件を先に押さえておくことが、いざというときの動きの速さにつながります。

なお、セーフティネット貸付の対象は今後も情勢に応じて見直される可能性があります。一度確認して「対象外だった」からといって終わりにせず、四半期に一度は最新の指定業種を確認するくらいの習慣を持っておくと安心です。

まとめ:仕入れコストの重さを、ひとりで抱えない

中東情勢の悪化は、遠い国の出来事のように見えて、大分の中小企業の仕入れコストにも静かに効いています。8割の企業が影響を受け、その半数が価格転嫁できていないという数字は、対岸の火事ではありません。

一方で、セーフティネット貸付のように国の支援体制も動いています。使うかどうかを判断する前に、まず「自社が対象かどうか」を確認するところから始めてみてください。仕入れコストや資金繰りの見通しについて、第三者と一緒に整理したいときは、コラボの経営相談・壁打ちセッションもお気軽にご活用ください。


参考:日本政策金融公庫 発表(2026年7月14日)、東京商工リサーチ「TSRデータインサイト」、読売新聞オンライン報道(2026年7月配信)