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電気・ガス補助、3か月5,000円に拡充。大分の社長が「うちも安くなる」で終わらせてはいけない3つの確認

タグ: 中小企業 / 大分 / 地域経済 / 補助金 / 経営相談

「電気代の補助が拡充されたらしいから、うちも自動的に安くなるはずだ」——そう思って請求書を眺めていませんか。実は、契約の区分によっては、この夏の支援が一円も反映されない会社があります。


電気・ガス料金支援、2026年夏は「去年の1.5倍」に拡充

2026年7月1日から、電気・ガス料金支援がスタートしました。中東情勢の悪化を背景に原油・LNG価格が高止まりするなか、政府は令和8年度予備費から5,135億円を支出することを5月26日に閣議決定し、6月5日には財源となる補正予算も成立しています。

標準的な家庭では3か月合計で約5,000円の負担軽減効果が見込まれており、これは2025年夏の約3,340円を大きく上回る水準です。値引きは契約中の電力・ガス会社が請求額から自動的に差し引く仕組みで、利用者側の申請は不要とされています。

大分でも、電力・ガス会社を通じて多くの事業所がこの値引きを受けられる見込みです。ただし「対象になる契約」と「対象にならない契約」がはっきり分かれている点が、今回の支援の見落としやすいポイントです。


値引き単価と「対象外」になる契約区分

2026年7月〜9月使用分の値引き単価は、経済産業省の特例認可によりすべて確定しています。

区分主な対象7月・9月使用分8月使用分
電気(低圧)一般家庭・小規模事業者3.5円/kWh4.5円/kWh
電気(高圧)中小企業の工場・店舗など1.8円/kWh2.3円/kWh
都市ガス年間契約量1,000万㎥未満14.0円/㎥18.0円/㎥

一方で、次の契約は国の支援の対象から外れています。

  • 特別高圧契約(契約電力2,000kW以上、大規模な工場・製造設備など)
  • LPガス(プロパンガス)(都市ガス管が通っていない地域の事業所に多い)

大分は製造業の比率が高く、大規模な工場を構える中堅・中小企業も少なくありません。特別高圧で受電している会社にとっては、「補助が拡充された」というニュースが自社には関係のない話になってしまいます。


大分の社長が今すぐ確認すべき3つのこと

1. 自社の契約が「低圧・高圧・特別高圧」のどれかを確認する

まずは検針票や契約書で、自社の受電区分を確認してください。低圧・高圧であれば、契約中の電力会社が支援事業に参加している限り、8月請求分から自動的に値引きが反映されます。特別高圧であれば、国の支援は対象外だと認識しておく必要があります。

2. 特別高圧なら、大分県の独自補助金の動きを追う

大分県は特別高圧で受電する県内中小企業向けに、独自の「大分県特別高圧電気価格激変緩和対策事業費補助金」を過去にも実施してきました。2026年7月23日、県は令和8年度分の受付・審査業務を委託する事業者の公募(提案競技)を発表し、契約期間は2027年2月26日までとされています。つまり2026年夏分についても、県による支援の枠組みが動き出したところで、事業者向けの申請受付はまだこれからという段階です。特別高圧契約の会社は、大分県商工観光労働部産業GX推進室の発表を定期的に確認しておくことをおすすめします。

3. LPガス利用や自治体独自の支援も見落とさない

都市ガスが通っていない地域の工場や店舗では、LPガス(プロパンガス)を使っているケースが多くあります。国の支援対象外のため、こちらは市区町村ごとの「物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金」を財源とした独自支援の有無を確認する必要があります。大分県内でも、市町村単位でエネルギーコストの一部を助成する制度を設けている例があります。自社の所在地の自治体サイトを一度チェックしてみてください。

以下、確認の優先順位をチェックリストにまとめました。

  • 検針票で契約区分(低圧/高圧/特別高圧)を確認した
  • 契約中の電力・ガス会社が支援対象事業者か確認した
  • 特別高圧なら、大分県産業GX推進室の発表状況を確認した
  • LPガス利用なら、自社所在地の市町村の独自支援を確認した
  • 「補助金申請」を装った不審な連絡に注意するよう社内に共有した

なお、電気・ガス料金支援そのものに利用者側の申請手続きは一切ありません。「補助金の手続きのため」と口座情報や手数料を求める連絡は詐欺の可能性が高いため、経理担当者にも一言共有しておくと安心です。


まとめ:拡充のニュースほど、自社に当てはまるかを確認する

電気・ガス料金支援は3か月合計で去年の1.5倍に拡充され、多くの会社にとって歓迎できるニュースです。ただし特別高圧契約やLPガス利用の会社は自動的な恩恵から外れており、「うちも安くなっているはず」という思い込みが一番の見落としにつながります。

浮いたコストをただ吸収するのではなく、値上げのタイミングや設備投資の計画に組み込めるかどうかも、この機会にあわせて整理しておきたいところです。自社の契約区分の確認や、経営判断への落とし込み方に迷ったら、一度壁打ち相手に整理を手伝ってもらうのも一つの方法です。

株式会社コラボでは、大分の経営者向けに「社長の相談窓口」として、こうした制度変更を経営判断にどう落とし込むかの壁打ちに対応しています。ご興味のある方は、お気軽にお問い合わせください。


参考:補助金ポータル「電気代・ガス代補助金、2026年7~9月に3か月合計5,000円へ拡充」(2026年7月14日更新)、大分県ホームページ「大分県特別高圧電気価格激変緩和対策事業費補助金受付・審査委託業務に係る提案競技のお知らせ」(2026年7月23日更新)