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中小企業の雇用者数、2040年に最大16%減。大分の社長が「経営判断の差」に気づく前に確認すべき3つのこと

タグ: 経営相談 / 中小企業 / 大分 / 地域経済 / 生産性向上

「人手が足りないのは仕方ない」——そう思って思考を止めていないでしょうか。2026年版中小企業白書は、2040年に中小企業の雇用者数が2018年比で最大16%減る可能性を示しました。しかし同じ白書は、規模が小さくても大企業並みの生産性を出している企業が実在することも明らかにしています。差はどこで生まれているのか、大分の社長向けに整理します。


中小企業白書2026が示した「2040年16%減」という数字

経済産業省・中小企業庁は2026年4月、2026年版「中小企業白書・小規模企業白書」を公表しました。そこで示された将来推計のひとつが、労働供給制約社会における中小企業の雇用者数の見通しです。

従業者数99人以下の中小企業について、性別・年齢階級別の雇用者数をもとに将来を推計したところ、2040年には2018年比で雇用者数が最大約16%減少する可能性があるとされています。人口減少と高齢化が進む中、中小企業は今後15年ほどで、働き手を今の6社に1社分失うかもしれない計算です。

大分県内でも人手不足を理由とした倒産や廃業はすでに珍しくありません。求人を出しても応募が来ない、採用できても数年で辞めてしまう、そうした声を大分の社長からよく聞きます。「そのうち何とかなる」ではなく、「働き手が減る前提で今の事業をどう回すか」を考える段階に入っていると見るべきでしょう。

しかも16%という数字は全国平均です。大分のような地方は都市部より人口減少のスピードが速い地域も多く、実際の影響はこの数字以上に大きく出る可能性があります。今のうちに手を打った企業と、様子見を続けた企業とで、10年後には埋めがたい差がつくと考えておいた方が現実的です。

「稼ぐ力」の差は規模ではなく経営判断から生まれる

白書のもうひとつの重要な指摘は、労働生産性(従業員一人あたり、あるいは時間あたりに生み出す付加価値)について、中小企業の中にも大企業の中央値を上回る企業群が一定数存在するという事実です。つまり、生産性の差は「大企業か中小企業か」という規模の問題ではなく、経営判断の質、白書の言葉を借りれば「経営リテラシー」の差から生まれている部分が大きいということです。

業種別に見ると、直近3年間で時間あたり労働生産性の伸びが特に大きいのは「卸売業・小売業」「宿泊業、飲食サービス業」などです。人手を増やせない中でも、価格設定や業務プロセスの見直しによって付加価値を伸ばした企業が一定数いることを示しています。

比較軸内容
大企業(中央値)労働生産性の基準値
生産性上位の中小企業大企業の中央値を上回る水準を実現
中小企業全体の平均大企業との差が依然として大きい
差を生む主因企業規模ではなく経営判断(経営リテラシー)の質

大分のような地方の中小企業は、「都市部と比べて人材も情報も少ないから生産性で勝てない」と考えがちです。しかし白書のデータは、規模のハンデを経営判断でカバーしている企業が実在することを示しており、これは大分の中小企業にとっても希望であり、同時に「言い訳にできない」という厳しさでもあります。

ここで言う「経営判断の質」とは、特別な経営理論を指すわけではありません。自社の強みがどの商品・顧客・工程にあるのかを把握し、限られた人員をそこに集中させる、という地道な判断の積み重ねです。大分の中小企業でも、規模が小さいからこそ判断から実行までのスピードを速くできるという利点があります。この利点を活かせるかどうかが、白書の言う「経営リテラシー」の実践力にほかなりません。

大分の社長が今すぐ確認すべき3つのこと

人手が減る前提に立ったとき、社長がまず手をつけるべきは大きな設備投資やシステム刷新ではありません。今の経営判断のどこに伸びしろがあるかを整理することです。

  • ① 付加価値の源泉を数字で把握しているか:どの商品・サービス・顧客が利益を生んでいるか、勘や経験ではなく数字で説明できるか確認する
  • ② 「人を増やす」以外の選択肢を検討したか:業務プロセスの見直し、価格戦略の再設計、外部人材やITの活用など、増員以外で付加価値を伸ばす手段を洗い出す
  • ③ 経営判断を一人で抱え込んでいないか:社長の勘だけに頼った意思決定は、規模が小さいほどリスクが大きい。第三者の視点を定期的に入れているか

なぜ「壁打ち」が経営リテラシーの底上げになるのか

白書が指摘する「経営判断の差」は、多くの場合、社長が自社の課題を客観的に言語化できていないことから生まれます。社内に相談相手がいない中小企業の社長にとって、外部の第三者と定期的に対話しながら経営判断を整理する場は、コンサルという大げさなものでなくても十分に機能します。

株式会社コラボの「社長の相談窓口」は、月額または1回単位で利用できる壁打ちセッションです。数字の裏付けが薄い経営判断を、対話を通じて一緒に整理し直すことができます。「人手が足りない」で思考を止める前に、自社の付加価値の伸ばし方を一度言語化してみることをおすすめします。


まとめ:人手不足は前提条件、差がつくのは経営判断

2040年に雇用者数が最大16%減るという推計は、大分の中小企業にとっても他人事ではありません。ただし白書は同時に、規模が小さくても経営判断次第で大企業並みの生産性を出せることも示しています。人を増やせない前提で、自社の付加価値をどう伸ばすか。その整理を後回しにしないことが、これからの10年以上を左右します。


参考:経済産業省・中小企業庁「2026年版中小企業白書・小規模企業白書」(2026年4月24日公表)