2025年終了の「Win10問題」でまだ焦っている社長へ。2026年の今からでも遅くない“騙されない”システム移行術
「Windows 10のサポートが終了します。今すぐPCを買い替えないとセキュリティリスクが……」
一時期、どのメディアでも、出入りの業者からも、耳にタコができるほど言われたフレーズです。しかし、実際のところ「そうは言われても、まだ動くし予算もない」「社内の業務システムがWin11に対応しているか分からなくて放置してしまっている」という経営者の方は少なくありません。
実際、サポート終了の期限が過ぎた2026年現在でも、地方の中小企業では「だましだまし使っている」「具体的にどう動けばいいか分からず止まっている」というのがリアルな現状です。
焦って出入りの業者に丸投げすると、必要のない高額な機器一式を売り込まれるリスクがあります。今からでも遅くありません。無駄なコストをかけずに、自社に最適な移行を進めるための「相談のコツ」を解説します。
1. 期限が過ぎた今、なぜ「焦って業者に丸投げ」すると危険なのか?
サポートが切れたPCを使い続けるのが危険(サイバー攻撃やウイルス感染の標的になりやすい)なのは事実です。大分の中小企業でも、取引先から「セキュリティ対策の状況」についてチェックシートの提出を求められるケースが急増しています。
しかし、ここで焦って「よく分からないから、いつもの業者さんに全部お任せで」と丸投げしてしまうのが、一番コストが高くつく原因になります。
業者の立場からすると、サポート終了という「大義名分」がある今は、絶好の営業チャンスです。
- 「この機会に、サーバーもネットワーク機器も新しくしましょう」
- 「PCを全部最新モデルにして、高額なセキュリティソフトもセットで導入しないと危険です」
と、本来の予算を大幅に超える「過剰な提案(オーバースペック)」をされてしまうケースが後を絶ちません。中小企業に必要なのは、すべての機器を最新・最高級にすることではなく、「自社の業務に支障が出ない最低限+αの安全対策」です。
2. 「ただの販売店」と「頼れる相談相手」を見極める比較表
PCやシステムの移行を考えたとき、相談先によって提案の中身は大きく変わります。自社の利益ではなく、貴社の立場に立って考えてくれているかを見極めるための比較表を用意しました。
| 相談先のタイプ | よくある提案内容 | 中小企業の社長が感じる「モヤモヤ」 |
| OA機器・販売ディーラー | 「古いPCはすべて廃棄し、最新PCをリースで一括導入しましょう」 | 予算が跳ね上がる。まだ使えるPCや、設定の移行手順についてのサポートが薄い。 |
| システムの保守・開発会社 | 「社内システムをWin11用に改修・再開発する必要があるので〇百万円かかります」 | 本当にその改修が必要なのか、専門用語ばかりで妥当な金額なのか判断できない。 |
| 伴走型のITディレクター | 「まず現役のPCが何台あり、どの業務で使っているか棚卸しから始めましょう」 | 物を売るのが目的ではないため、不要な買い替えを止め、安価な代替案をくれる。 |
社内にITの専門知識を持つ担当者がいない場合、業者が持ってきた見積もりが「高いのか安いのか」「本当に必要なのか」を経営者だけで判断するのは不可能です。
だからこそ、開発会社や販売店に声をかける前に、「見積もりを一緒に見て、第三者の視点でアドバイスをくれる壁打ち相手」が必要になります。
3. 「よく分からない」をそのまま相談できる相手を選ぼう
ITの相談を躊躇してしまう経営者の多くは、「自分が詳しくないから、相談しても上手く説明できない」「恥ずかしい」とおっしゃいます。
しかし、プロの相談相手であれば、経営者が詳しくないことは百も承知です。むしろ、専門用語を並べ立てて契約を急がせる業者こそ、距離を置くべきです。
本当に信頼できるITのパートナーは、以下のようなスタンスで話を聞いてくれます。
- 「PCの裏にある型番のシールをスマホで写真撮って送ってください」と、簡単な指示をくれる
- 「このPCはまだスペックが高いので、OSのアップデートだけで使えますよ」と予算を削る提案をしてくれる
- 「社内システムが動かなくなると困るので、まずは1台だけテストしましょう」と、リスクの低いステップを踏んでくれる
「今さらWindows 10のことで相談するなんて遅すぎる」と思う必要はまったくありません。2026年の今だからこそ、特注のブームが落ち着き、落ち着いて自社のペースで最適な移行計画を立てられるメリットもあります。
今週、社内でこれだけ確認してみませんか?
業者に見積もりを依頼する前に、社内で以下の「数」だけ把握しておくと、相談がスムーズになります。
- [ ] 社内に「動いているパソコン」が全部で何台あるか数えた
- [ ] そのうち、毎日使っている重要なPCと、たまにしか使わないPCを分けた
- [ ] 「これが動かなくなったら仕事が止まる」という必須の業務ソフト(会計、販売管理など)の名前をメモした
まとめ:「物を売りたい人」ではなく「仕組みを整える人」に相談を
Windows 10のサポート終了問題は、単なる「パソコンの買い替えイベント」ではありません。自社のIT環境がどうなっているのか、無駄なコストを支払っていないかを見直す、絶好の「健康診断」のチャンスです。
高額なシステムや大量のPCを売りにくる営業マンの言葉に焦る必要はありません。まずは、「うちの会社の今の状況、何から手をつけたらいい?」と、利害関係のない専門家に気軽に意見を求めてみてください。
その「ちょっとした壁打ち」が、何百万円もの無駄なIT投資を防ぐ防波堤になります。