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鶏肉が過去最高値155円。大分名物「からあげ」を守る社長が、8%値上げの前に確認すべき3つのこと

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「うちの看板メニューだから、簡単には値上げできない」——大分でからあげ店や飲食店を営む社長なら、この夏そう感じている方は多いはずです。仕入れの鶏肉は上がり続け、それでもお客さまの顔が浮かんで踏み切れない。今日はそのモヤモヤを、数字と一緒に整理してみます。


鶏肉が過去最高値、からあげの聖地・大分を直撃

2026年6月、鶏もも肉の小売価格は全国平均で100gあたり155円まで上がり、2003年の統計開始以来もっとも高い水準になりました。からあげの聖地として知られる中津のある店では、鶏肉の仕入れが前年比で約2割上昇。薄利多売のビジネスだけに影響は大きく、5月にはメニュー全体を約8%値上げして対応したと報じられています。

大分市は家計調査で鶏肉の購入額が全国トップクラスの「鶏肉のまち」です。からあげは県内の観光と日常の両方を支える名物であり、鶏肉価格の高騰は一部の飲食店だけの話ではなく、スーパー、精肉店、養鶏農家まで含めた地域経済全体の問題になっています。

値上がりの背景には、国内外での高病原性鳥インフルエンザの発生、輸入国の生産減、円安、中東情勢による燃料高などが重なっています。どれも一飲食店の努力では動かせない要因ばかりで、「待っていれば下がる」とは言いにくいのが正直なところです。

なぜ「値上げできない」が続くと危ないのか

コスト増を価格に反映できないまま営業を続けると、売れば売るほど利益が薄くなる状態に陥ります。実際、養鶏の現場では飼料コストが前年秋と比べて1トンあたり約6,000円上がり、包装資材も7月以降さらに上がる見込みとされています。仕入れの上流から値上がりが続くため、川下の飲食店が身動きを取れないまま体力を削られていく構図です。

ここで大事なのは、「値上げする・しない」の二択で悩まないことです。実際には、次のように打ち手はいくつもあります。

打ち手効果注意点
一律値上げすぐ利益に反映される客離れのリスク、根拠を説明しにくい
メニュー・原価の見直し利益率の低い商品を特定できる原価データの整理が前提になる
セットや高付加価値化単価を上げつつ満足度を保てる何が「価値」かを見極める必要がある
業務の効率化(IT活用)人件費・ロスを圧縮できる現場に合ったツール選定が必要

一律値上げは最も分かりやすい一方で、「なぜ上げたのか」をお客さまに説明できないと不信につながります。むしろ、自店の原価とメニューごとの利益を把握したうえで、値上げする商品としない商品を分ける方が、結果的にお客さまの納得を得やすくなります。

値上げの前に、社長が確認すべき3つのこと

感覚ではなく数字で判断するために、次の3点をチェックしてみてください。

  • メニューごとの原価率を把握しているか——看板商品ほど利益が薄い、というケースは珍しくありません。鶏肉の仕入れ値が2割上がったとき、どのメニューが赤字ラインに近いのかを一度書き出してみましょう。
  • 値上げの「根拠」をお客さまに説明できるか——「原材料の高騰のため」と一言添えるだけで、受け取られ方は大きく変わります。値札の裏にある事情を、正直に伝える準備ができているかがポイントです。
  • 価格以外に削れるコスト・ロスがないか——仕込みや発注、シフト管理といった裏方の作業は、ITやツールでムダを減らせる余地が残っていることが多いものです。値上げと同時に、原価以外の出血を止められないか点検してみてください。

「数字が見えていない」なら、そこが最初の一歩

3つのチェックのうち、最初の「原価率を把握しているか」でつまずく方は少なくありません。日々の仕入れや売上はレジや帳簿に残っていても、メニュー単位の利益まで見える化できている小さなお店は多くないからです。逆に言えば、ここを整理するだけで「どこを値上げし、どこを守るか」の判断材料がそろいます。会計ソフトや簡単な集計の仕組みを入れるだけでも、感覚頼りの経営から一歩抜け出せます。

まとめ:値上げは「決断」ではなく「準備」で決まる

一言で言うと、値上げは勇気の問題ではなく、数字の準備の問題です。鶏肉が過去最高値の今、まず必要なのは価格を上げる決断ではなく、メニューごとの原価と利益を見える化することです。そのうえで、上げる商品・守る商品・効率化で吸収する部分を切り分ければ、お客さまにも自分にも説明のつく値付けができます。


参考:TOSテレビ大分「鶏肉価格が高騰『過去最高値』」2026年6月23日報道