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生成AI利用率58.8%でも組織的取組なしが27%。大分の中小企業社長が確認すべき3つ

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「うちもChatGPTは使っている」。大分の中小企業でも、そう答える社長は増えました。一方で、社内を見ると若手だけが個人アカウントで使い、会議もルールも変わっていない——利用率の数字と現場の温度差に、違和感を覚える方も少なくありません。

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情報通信白書が示した「使っている」と「組織で進めている」の差

総務省が2026年7月24日に公表した令和8年版情報通信白書では、特集テーマにAIの利活用が据えられました。個人向け調査(2026年1〜2月実施)によると、日本で生成AIサービスを使ったことがある人の割合は58.8%。前年度調査の26.7%から大きく伸び、2023年度調査の9.1%から見ると2年連続で倍増ペースです。ただし今回から15〜19歳が調査対象に加わっており、20歳以上に限ると52.2%です。一度でも触れた人を含む「利用経験」の数字である点も、読み違えない方がよいです。

国際比較ではまだ差があります。中国93.6%、米国・ドイツ各75.6%に対し、日本は4か国中で最も低い水準です。伸びの中心はテキスト生成で、同サービスの利用経験は24.0%から55.0%へ。画像・動画やコード生成など、テキスト以外はまだ伸び切っていません。

企業側を見ると、景色はさらに分かれます。調査対象は従業員10名以上で、すでにデジタル化に着手した企業の管理職です。この層では、何らかの業務で生成AIを使っている割合が86.4%(前年度55.2%)、活用方針を「積極的」または「領域を限定して」と答えた合計が68.9%(前年度49.7%)まで上がりました。一方、生成AIによる業務変革について「組織的な取組はない」と答えた割合は日本で27.0%。米国1.4%、ドイツ4.9%、中国2.6%と比べると、突出して高い数字です。

つまり今の日本は、「個人や現場では触れているのに、会社としての進め方が決まっていない」会社がまだ多い段階です。地方の中小企業ほど、このズレが社長の目には見えにくいことがあります。

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なぜ利用率だけ見ると判断を誤るのか

白書の数字を、社長の意思決定にそのまま当てはめると危険です。理由は3つあります。

理由:調査対象が「すでにデジタル化に着手した企業」中心
中小企業への意味:大分の未着手・紙運用が多い現場とは母集団が違う。86.4%を「どこもやっている」と読むと焦りすぎる

理由:個人の58.8%は「経験あり」を含む
中小企業への意味:毎日使っている人と、一度試した人を同じ「利用率」で語ってしまう

理由:年齢で断層がある
中小企業への意味:日本の15〜19歳は91.7%、30〜39歳は56.3%、60〜69歳は33.5%。社内の世代差がそのまま運用差になる

未利用者の理由でも、日本は「使い方がわからない」が38.8%と4か国で最も高く、米国・ドイツの2倍以上です。「必要ない」より「入口がわからない」が障壁になっている、という読み方ができます。逆に言えば、禁止や様子見だけでは、若手は個人利用へ逃げ、ベテランは置いていかれます。

大分県では8月にAI実装基盤「DAIB」が動き、県のDX相談窓口も開いています。外部の受け皿は増えています。それでも社内で「誰が・何の業務で・どこまで使うか」が曖昧なまま外部に行くと、ツール紹介で終わりやすいです。白書が示す27.0%の本質は、ツール不足ではなく、組織としての設計不足に近い状態です。

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大分の中小企業が今日確認すべき3つ

【1】「使っている人」ではなく「使っている業務」を書き出す

まず社内で、生成AIを実際に触っている人と、使っている業務を1枚にまとめます。営業メールの下書き、議事録、見積のたたき台、求人票——具体名で書きます。「なんとなく使っている」を残すと、後からルールも研修も当てられません。個人アカウントか会社契約かも併記すると、シャドー利用の芽が見えます。

  • 部署ごとに「使っている/使っていない」を今週中にヒアリングした
  • 顧客情報・契約・個人情報がプロンプトに入っていないか確認した
  • 使っているツール名(ChatGPT、Gemini、Copilot等)を一覧にした

2】方針は長く書かず、「やってよい/だめ」を10行以内にする

白書では活用方針ありと答えた企業が68.9%まで増えました。ただし中小企業では、分厚い規程より「顧客データを入れない」「最終判断は人がする」「社外公開文は必ず人が確認する」の3点があれば十分に機能します。全面禁止は、現場を見えなくするだけです。認める範囲を狭く書き、あとから広げる方が現実的です。

項目:社内で許可する用途
内容:定型文書の下書き、社内向け要約、公開前のたたき台

項目:禁止する用途
内容:顧客の個人情報・未公開の金額・契約条件をそのまま入力すること

項目:必ず人が行うこと
内容:対外発信の最終文面、見積・契約・人事の最終判断

3】組織的取組は「全社DX」ではなく、1業務の型から始める

「組織的な取組がない」27.0%をゼロにしようとして、いきなり全社プロジェクトにすると止まります。白書が示す他国との差は、壮大なビジョンの差というより、業務変革を組織の議題に載せているかの差に見えます。中小企業なら、月次で1業務だけ「手順書+AIの使い方+チェック担当」を決める方が続きやすいです。

向きやすい業務の例は次のとおりです。

業務:議事録作成
向きやすさ:高い。時間短縮が見えやすい
注意点:発言の誤りを人が必ず直す

業務:問い合わせ一次回答の下書き
向きやすさ:中程度。テンプレがある会社向け
注意点:顧客情報の入力ルールを先に決める

業務:採用・広報の文案
向きやすさ:高い。公開前レビューを固定する
注意点:事実誤認・誇大表現のチェック

大分市内の小規模事業者向けDX補助金など、資金面の支援は別途あります。ただ、補助でツールを増やしても、上記の3点が無いと「入れたのに組織は変わらない」状態に戻りやすいです。株式会社コラボでは、社長の相談窓口や壁打ちセッションで、IT・AIの話を経営判断の言葉に翻訳する支援をしています。ツール選定の前に、社内の現状整理だけでも相談の入口になります。

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まとめ:一言で言うと

生成AIは「使ったことがある人」が増えた段階に入りました。次に差がつくのは利用率ではなく、組織としてどこまで決めて動いているかです。大分の中小企業は、まず業務の見える化、短い許可ルール、1業務の型——この3つからで十分です。

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参考:総務省「令和8年版情報通信白書」、2026年7月24日公表